


現在、仙台市青葉区の都心部では、市の強力なバックアップ(せんだい都心再構築プロジェクト)を受けて、歴史的とも言える建て替えのラッシュが続いています。特に令和8年(2026年)4月からは助成制度がさらに手厚くなり、オフィスビルを建てる際の補助金上限が撤廃されるなど、街を新しくしようとする勢いが非常に増しています。
しかしその一方で、不動産業界としては「建築コストの高騰」という大きな壁についても、慎重に見極める必要があると考えています。
1. 建築費の上昇による「計画の見直しや遅れ」
今、全国的に建物の材料費や人件費が上がっており、鉄骨造の建築費はここ数年で10%以上も上昇しています。 この影響は仙台も例外ではなく、青葉区で最大規模となる「一番町三丁目七番地区(電力ビル周辺)」の再開発では、組合の設立が当初の予定より約1年遅れるといった影響が出ています。また、中東情勢による原料高騰(ナフサショック)なども重なり、多くのデベロッパーが「今すぐ建てるべきか、少し様子を見るべきか」という厳しい判断を迫られています。
2. マンション市場の「二極化」
新築マンションの価格も、建築費の上昇に合わせて高騰しています。 青葉区の中心部では、1戸あたりの価格が2億5,000万円に達するような超高額な物件も登場しています。このように、コスト増を価格に反映できる一等地のプレミアム物件は供給されますが、それ以外の一般向け物件は供給が絞られる傾向にあります。その結果、条件の良い中古マンションに人気が集まり、価格が下がりにくいという状況が続いています。
3. これからの注目ポイント
これからの街づくりで鍵となるのは、単なるオフィスビルではなく、「そこでしかできない体験や収益」東北大学サイエンスパークのような独自の研究開発拠点や、高級ホテル・商業施設を併設した複合ビルなどが、これからの都心の価値を高めていくものと思われます。
まとめますと、今の青葉区の商業地域は「行政の強い後押し」という明るい材料と、「コスト高騰」という厳しい現実が隣り合わせの状態です。今後は、補助金を賢く活用し、高い付加価値を生み出せる「選ばれたプロジェクト」が着実に実現していく、選別の時代となっていくことが予想されます。

仙台市の中心部が大きな転換期を迎えています。市が主導する「せんだい都心再構築プロジェクト」は、老朽化ビルの建て替えを促し、高機能なオフィス環境と都市の魅力を創出するための強力なエンジンとなってきました。しかし、不動産市場を取り巻く環境の変化に伴い、プロジェクトは新たな局面を迎えています。これまでの変遷と足元の適用案件を整理し、建築費高騰や賃料相場の動向という懸念材料について、その影響と今後の市場動向を総括します。
■ プロジェクトの変遷:震災からの復興と「量から質」への転換
本プロジェクトは、東日本大震災後の住宅・インフラ復興が一段落した2019年に始動しました。震災対応の裏で遅れていた中心部のビル建て替えを促進し、老朽化対策と同時に、他都市に劣後していた「広床・高機能オフィス」の供給を目指したものです。容積率の大幅緩和や独自の助成金制度が功を奏し、都心のポテンシャルを呼び覚ます契機となりました。
さらに、直近では令和8年4月に主要な支援制度の改正が行われました。市街地再開発事業における補助金上限の撤廃や、企業誘致の軸足を「固定資産税ベース」から「オフィス賃料への直接助成」へとシフトしたことは、単なるハコモノ整備から「いかに優良企業(IT・研究開発拠点など)を定着させるか」という、実需重視の戦略への変遷を物語っています。
■ 多彩な適用案件:すでに10件以上のプロジェクトが始動
本プロジェクトの施策や容積率緩和を活用・連動した開発計画は、現在までに10件以上にのぼり、都心の景観を大きく変えつつあります。
1.アーバンネット仙台中央ビル:中央4丁目 竣工済み(2023年11月)
2.NANT仙台南町:中央3丁目 竣工(2025年6月)
3.T-PLUS仙台:中央3丁目 竣工済み(2024年1月)
4.ウッドライズ仙台:国分町1丁目 竣工済み(2023年11月)
5.一番町三丁目七番地区再開発(電力ビル跡地):一番町3丁目計画中(2035年頃完成予定)
6.仙台第一生命ビルディング建替え計画:国分町3丁目 建設中(2028年完成予定)
7.仙台市青葉区一番町オフィスビル開発計画:一番町2丁目 建設中(2027年3月完成予定)
8.(仮称)読売仙台ビル建替プロジェクト:中央2丁目 計画中(2029年度完成予定)
9.(仮称)仙台市青葉区本町一丁目プロジェクト:本町1丁目 計画中(2030年完成予定)
10.(仮称)仙台一番町二丁目共同開発ビル:一番町2丁目 計画中(2029年完成予定)
■ 不動産鑑定士の目線から:建築費高騰と「賃料の乖離」という現実的な壁
現在の仙台市場を分析する上で最も注視すべきは、世界的な資材高騰と人手不足に起因する「建築費の高騰(開発コストのインフレ)」です。通常、不動産の開発投資は「完成後の収益価格(期待賃料収入等)」と「土地取得費+建築費」等の投下資本の額の関係で成立します。しかし、現在の建築費の急騰は、デベロッパーの採算性を著しく圧迫しています。
これに伴い、市場では「新築・高機能ビルへの移行によってオフィス賃料上昇の期待値が引き上がる」という意見も聞かれます。しかし実態をインカム・アプローチ(収益還元法)の視点で見ると、楽観視はできません。現在、新築物件を中心に「募集賃料」こそ上昇傾向にあるものの、実際の「成約賃料」がそれに追いついていけないという「募集と成約の乖離」が顕在化し始めています。テナント側となる地元企業や支店経済の予算には限界があり、デベロッパーが期待するほどの高値での成約が結びにくくなっているのが現状です。
また、同じ地方中枢都市である「福岡」や「札幌」と比較しても、仙台は背後圏の人口規模や企業の集積度合いにおいて、賃料の大幅なパラダイムシフト(構造的な上昇)を期待することは現実的ではないと言わざるを得ません。福岡のような天神ビッグバンに伴う爆発的な賃料上昇の再現は難しく、あくまで安定的な需要の範囲内での緩やかな推移に留まる可能性が高いと言えます。
今回の仙台市の制度改正において、補助金上限を撤廃したこと、そして「オフィス賃料への助成」を打ち出したことは、まさにこの「高騰した建築費」と「伸び悩む成約賃料」の狭間で破綻しかねない開発収支を公的資金で補追し、かつテナントの実質負担を軽減して誘致を進めるための、極めて現実的かつ合理的な市場介入策であると評価できます。
■ 総括:令和12年度末までの期限がもたらす市場の未来
本プロジェクトの適用期限は、延長を経て令和12年度(2030年度)末に設定されています。不動産鑑定士の視点から見ると、この「明確な期限設定」は市場に2つの効果をもたらします。
1つは、デベロッパーに対する「タイムリミット効果」です。建築費が高止まりし、成約賃料が伸び悩む厳しい環境下にあっても、補助金や容積率緩和の恩恵を享受するために、事業化の意思決定を前倒しさせる強力なインセンティブとなります。
もう1つは、「需給バランスのコントロール」です。オフィスビルの大量供給は一時的な空室率の上昇(供給過剰)を招くリスクがありますが、賃料助成の拡充によって「需要(テナント需要)」を同時に強力に呼び込むことで、軟着陸(ソフトランディング)を図ろうとしています。
仙台市の都心再構築は、コストインフレと賃料上限という二重の逆風を受けながらも、官民一体の制度補強によって着実に前進しています。令和12年度に向けて、仙台が東北の「稼ぐ中心地」として真の価値向上を果たせるか、今後のリーシング(テナント誘致)の成否が注目されます。

「公示価格がこれくらいだから、うちの不動産も同じくらいで売れるはず」
「相続税路線価から逆算すれば、市場価格がわかる」
もしあなたがそのように考えているなら、少し注意が必要です。実は、国や自治体が公表する「公的評価」をそのまま市場価格(実際に売れる価格)として扱うのは、非常にリスクが高いのです。
なぜ、公的評価と実際の売却価格にはズレが生じるのでしょうか?その仕組みと、特に注意すべき「建物の評価」について解説します。
1. 公的価格には「目的」と「基準日」の壁がある
まず知っておきたいのは、私たちが目にする公的評価は、それぞれ異なる目的で、異なる基準日に算出されているという点です。
公示価格(1月1日時点)
土地取引の指標となる価格ですが、あくまで「その地点」の個別要因が考慮されたものです。
相続税路線価(1月1日時点)
公示価格の約8割が目安です。道路に面した標準的な土地の価格を示すため、対象地の形状や奥行き、時点修正を考慮しなければ、実勢価格とは一致しません。
固定資産税評価額(3年に一度の評価替え)
公示価格の約7割が目安です。市町村が税金を計算するための独自のルール(角地加算など)で算出されており、市場の動きをダイレクトに反映しているわけではありません。特に地価が上昇している局面では、3年前の価格が据え置かれているため、実勢価格と大きく乖離することがあります。
2. 「土地+建物」が単純な足し算にならない理由
建物が建っている場合、評価はさらに複雑になります。不動産の価値は、単純に「土地代+建物代」では決まりません。
市場では、その不動産が一体として「どれだけの収益を生むか」「どれだけの需要があるか」という視点で価格が決まるからです。
特に築年数が経過した建物については、注意が必要です。
市場の現実: 築年数が古い場合、建物価値はゼロに等しく、むしろ「解体更地渡し」を前提とした「土地価格 − 解体費用」が適正な市場価格となるケースも少なくありません。
税務上の評価: しかし、固定資産税評価額では、どんなに古くても「再建築費用の20%程度」が残存価値として残る仕組みになっています。
「税金の評価額では価値があるはずなのに、査定を出したらマイナス(解体費)と言われた」というギャップは、ここから生まれるのです。
まとめ:正しい価値を知るために
公的評価はあくまで「一つの目安」に過ぎません。実際の市場価格は、その時々の需給バランスや、個別の土地が持つ長所・短所、建物の経済的な寿命などを多角的に分析して初めて導き出されます。
「公的価格=売れる価格」という思い込みで判断せず、周辺の成約事例や専門家によるシビアな査定を組み合わせ、「今、この不動産が市場でどう見えるか」を正確に把握することが、不動産取引を成功させる第一歩です。
プロのアドバイス
不動産の売却や活用を検討される際は、指標の数字だけを追うのではなく、時点修正や個別要因、そして「最有効使用(その不動産をどう使うのが一番価値が出るか)」を考慮した、リアルな市場価格の把握に努めましょう。

【住宅地】
令和8年地価公示(令和8年1月1日時点)が発表されました。仙台市では住宅地で年間の平均変動率は4.3%と昨年の6.3%から上昇幅は縮小し、仙台市内及びその周辺の名取市(年間平均変動率4.6%)、多賀城市(7.1%)、岩沼市(6.2%)、富谷市(4.3%)、利府町(6.8%)、大和町(4.3%)で大きな上昇となりました。これらの地域では、物件数が少ないなか件数は多くないものの高値での成約がみられ地価上昇に繋がったとみられます。今のところは、需要サイドの高値希望価格に追随する買主がまだ把握されますが、物価上昇や建築費の高騰が続いており、全体的にはこれまでの勢いは徐々に薄れつつあるとみられます。
【商業地】
仙台市の商業地の変動率は7.8%(昨年8.3%)となりました。投資ファンド等の県外資本を中心とする取引は減少したものの、県外の企業や地元不動産会社が買主となる比較的小規模な物件の取引が増える傾向がみられました。コロナ禍を契機に安定収入が見込める賃貸マンション投資が活発で、上杉、二日町、木町通、五橋地区等の商業地域内では単身者向けの高層マンション用地需要が旺盛です。また、総合病院や大型商業施設が進出した堤通雨宮地区では将来性を期待した収益物件用地の高値取引が多く見られます。東北学院大学五橋キャンパス周辺でも、賃貸マンション建設計画が相次いでおり、学生寮や単身者用のマンション用地の高値取引が把握されます。
オフィスビル市場をみれば、市中心部では今後さらに複数のオフィスビルが竣工する予定で供給増加による空室率の悪化が懸念されます。しかし、高機能で省エネ、セキュリティー、防災リスクに対応した新築オフィスビルの需要は県外企業を中心に根強いものがあり概ね堅調を維持しています。老朽化したビルの建替計画もあって短期的には空室率の上昇は認められるものの、空室解消は比較的順調に進んでいくとみる向きが強いようです。
【工業地】
工業地は仙台市や多賀城市の工業地で年間17%を超える大きな上昇が続いています。これらは主に物流施設用地需要が主因となっています。仙台都市圏において物流拠点となる物流施設用地需要が高まっています。特に市街地に近い仙台都市圏において大手物流デベロッパ−による積極的な用地取得が散見され、これまでの投資目線では考えられないほど高い取引も把握されます。仙台市内での地価高騰を受け大規模画地の用地取得が難しくなってきており、より広範なエリアへ波及する傾向も見られます。また、自動車関連や半導体関連の製造業を中心に、施設拡張や近年の技術革新やエネルギー価格の上昇により省エネ、高機能建物への建替えや設備投資が進んでおり、こうした動きも工業用地価格の上昇となったと考えられます。

高速道路網を活かし物流企業の誘致を目指す
物流施設用地需要が相変わらず旺盛な仙台都市圏で、新たな工業団地の計画が発表されました。
造成される場所は仙台北道路の「しらかし台インターチェンジ」に隣接する利府町唄沢地区の約55ヘクタール。東京ドーム12個分の広さで20区画整備される予定。不動産会社の関兵(仙台市)などが事業主で総工費は70億円とのことです。
24年春に市街化区域に編入、26年度に造成着手、30年度完成予定。
利府町は、三陸沿岸道路と東北自動車道を結ぶ仙台北部道路に隣接しており交通アクセスが良く物流施設の立地に向いていたものの、受け皿となる用地が十分ではなかったという背景があります。

ウッドショック、アイアンショックによる木材や鋼材の価格上昇、さらには人材不足や人件費の上昇もあって建築コストは大きな上昇となっています。
建築費はコロナ禍前から上昇していましたが、建設資材価格の急上昇を直ちに建設コストに反映できなかった住宅販売会社の昨年度の決算は、大幅減益となった会社が多かったようです。
最近では、木材価格や鋼材価格が高止る気配があるものの、人件費の上昇が続いており建築費の上昇は続いています。今後は、2024年問題で物流コスト上昇や建築期間の長期化などの影響も懸念され、建築費の上昇はこれから本格的になるとみられます。
こうした影響もあり、中古住宅市場をみると、築年数を相当経た建物でも、なるべく取り壊さずにリノベーションする傾向がますます強まると思われます。
中古住宅の選別にあたっては、築年数だけで建物を判断するのではなく、施工した住宅会社の信頼性、メンテナンスの適否、使用資材の品等、リフォーム、修繕履歴等を総合的に判断することが、肝要となります。

【住宅地】
令和5年地価調査(基準地価)が発表されました。仙台市では住宅地で年間の平均変動率は7.1%と昨年の5.9%から上昇幅を広げ、仙台市内及びその周辺の名取市(年間平均変動率7.5%)、富谷市(7.4%)、利府町(9.0%)、大和町(9.6%)で大きな上昇となりました。これらの地域では、売物件が少なく取引件数は減少傾向にあるものの、低金利やコロナ禍以降の家計資産の増加を背景に、旺盛な住宅取得マインドは継続しています。供給する住宅販売会社も仙台市中心部は物件不足や地価の高騰で用地取得が難しくなっており、さらに建築費の上昇も加わって、地価が相対的に低位な仙台市周辺の地域へその守備範囲を広げつつあるようです。
物価上昇やエネルギー価格の上昇等により、現在新築戸建住宅、分譲マンションの販売も厳しい状況で、住宅取得マインドはやや低下しているようです。一方で、中古住宅や中古マンションは、地下鉄沿線の住宅地域や利便性が良好なエリアで積極的な取引が増えています。地域や物件に対して厳しく選別した取引が増えるとみられ、需要が旺盛なエリアと減退するエリアとの二極化が進むものと予測されます。
【仙台市の商業地】
仙台市の商業地の変動率は7.8%(昨年5.7%)となりました。投資ファンド等の県外資本を中心とする取引は減少したものの、比較的小規模な物件の取引が増える傾向がみられました。コロナ禍を契機に安定収入が見込める賃貸マンション投資が活発で、上杉、二日町、木町通、五橋地区等の商業地域内では単身者向けの高層マンション用地需要が旺盛です。また、総合病院や大型商業施設の進出が予定されている堤通雨宮地区では将来性を期待した収益物件用地の取引が多く見られ、今春開校した東北学院大学五橋キャンパス周辺では、学生寮や単身者用のマンション用地の高値取引が目立ちました。市中心部では、今後数年で複数のオフィスビルが竣工する予定です。空室率の悪化が懸念されますが、高機能で省エネ、セキュリティー、防災リスクに対応した新築オフィスビルの需要は堅調を維持しており、老朽化したビルの建替計画も把握されていることから、一時的な空室率の上昇は認められものの空室解消は比較的順調に進んでいくとみる向きが強いようです。
【工業地】
工業地は仙台市や富谷市の工業地で年間10%を超える大きな上昇が続いています。これらは主に物流施設用地需要が主因となっています。2024年問題で、物流施設の仙台都市圏において物流拠点となる用地需要が高まっており、特に市街地に近い仙台都市圏において大手物流デベロッパ−による積極的な用地取得が散見されます。中心部で大規模画地の用地取得が難しくなってきており、より広範なエリアへ波及する傾向も見られます。また、自動車関連や半導体関連の製造業を中心に、施設拡張や近年の技術革新やエネルギー価格の上昇により省エネ、高機能への設備投資が進んでおり、こうした動きも工業用地価格の上昇となったと考えられます。

福岡市への進出企業は20年までの5年間で275社。雇用者数も約7000人増加。福岡県内の人口を一気に吸い上げています。 急速に進む円安の影響で、海外から見ると日本の不動産価格は割安感が増しており、その投資先の一つとして福岡が注目されているとのことです。 残念ながら仙台市においては投資ボリュームに見合う大型物件が少ないため、今のところはこうした動きは見られません。福岡市が主導する官民連携の「天神ビッグバン」「博多コネクテッド」等の街づくりが国内外から人と資金を呼び寄せています。
一方で、投資家の物件意欲は旺盛とのことですが、深刻な売り物件不足に見舞われているようです。この辺りは仙台と同様のようです。福岡の賃貸市場は堅調で、オフィスビルの供給ラッシュで、法人需要を中心とする長期的な投資機会は増加するとの予測です。「天神ビッグバン」は、建物の高さや容積率制限の緩和で24年までの10年間で30棟のビル建替えを誘導したとのことです。建て替えでビルの延べ面積は1.7倍に拡大し雇用者数が2.4倍に増加。足元の確認申請は50棟を超えており上振れる可能性があるそうです。「博多コネクテッド」も20棟のビル建て替えを誘導しているとのこと。福岡ではこうした都市インフラの更新が奏功しており企業誘致が進んでおり、人とモノを呼び込んでいます。

タカラレーベン東北が仙台市泉区の地下鉄南北線「八乙女駅」の駅前で分譲マンション計画を発表しました。駅前が駐車場としての利用が多く、やや寂しかった八乙女駅前も大きく変わりそうです。
建設場所は泉区八乙女中央1-56-4ほか、敷地面積は約2,903�屐7弉茲任�RC8階建て、延べ約6502�屬療絞淺佞�共同住宅70戸を建設。23年1月中の着工、24年3月末の完成を予定とのことです。
タカラレーベン東北は泉中央1丁目で「レーベン泉中央GRAND SEASON」、12階建て総戸数33戸を建築中、こちらは、23年5月末竣工予定。

太白区長町南4丁目の以前ツルハ長町南店だったところ。ツルハは近隣に21年6月に移転済み。敷地面積は1249.70平米。二方路地で情報によると西側大通りに面して分譲マンションを建て、東側には数戸の戸建分譲もあると聞いています。長町南駅までは徒歩圏で周辺には銀行や病院等もあり、生活利便性が良好な地域です。分譲マンションは、RC10階建てで総戸数40戸、24年6月下旬完成予定とのことです。分譲価格がどのくらいになるのか注目しています。
ナイスは富沢西3丁目においてもマンション「ノブレス富沢WEST」を建築中で、RC7階建て総戸数81戸で2LDK〜3LDK、分譲価格は2870万〜3900万円。23年3月入居予定とのことです。
さらに、富沢駅の東側、大野田5丁目で、フージャースコーポレーションが「デュオヒルズ仙台富沢」、23年11月入居予定で総戸数79戸の分譲マンションを建設中。22年10月発売開始予定となっています。
長町南、富沢駅周辺で分譲マンション計画が相次いでいます。

現在当社で売買契約進行中の中古戸建物件で、増築部分が未登記の建物があります。売買契約時には現実と符合する登記で買主さんへ引き渡す必要があるため、急遽土地家屋調査士に依頼して、増築部分の測量及び増築登記に向けて作業中です。
売主さんは親族から相続した物件であるため、増築時の工事に関する図面などは皆無で増築時の事情は全く知りません。厳密に言えば増築部分は誰のものか、ということだけで裁判になったケースもあります。建ペイ率や容積率の問題もあります。また、固定資産税等に関しても過去に遡って不足分を支払わなければなりません。
防火及び準防火地域外の10�嵬に�の増築の確認申請は不要であることから、被相続人は、登記までも必要ないと勘違いして登記を怠っていたものと思われます。
不動産登記法の規定では、変更があった日から1か月以内に登記申請をしないと、10万円以下の過料に処せられます。増築時の増築登記は、一般に忘れられがちになり、売買契約時に慌てることになります。
実際には過料になったケースは無いと聞きますが、10�嵬に�の小規模な増築で建築確認申請が不要であっても、スムーズな売買やローン審査の支障となり、後で登記をしようとしても簡単にはいかないことが多いため、増築登記は必ず必要になります。

三鬼商事のOFFICE REPORT SENDAIによれば、2022年5月の仙台ビジネス地区のオフィスビル平均空室率は5.02%。前年同期比で1.31ポイントも下げました。特に一番町周辺地区の平均空室率は3.78、駅東地区は3.68%と堅調です。
その原因は、新築ビル(1棟)の好立地の高機能、新築ビルの空室率が2月からゼロとなっていることが影響していると思われます。最近では、人材確保の観点からも立派なビルに入居する企業も多いと聞きます。
仙台のオフィス市場では、大型の新築ビルが竣工しても直ちに満室になるケースは、以前は普通に見られたものの、コロナ禍の現況においてはそうしたことはありません。空室率の消化には、首都圏に比べれば比較的長期に及ぶと考えられます。
対して、空室率の高い地区は、駅前地区5.83%、となっています。コロナ前は好調を維持していた駅前地区ですが、コロナ禍で高額な賃料負担に耐えかねた企業の移転転出や、テレワークの進行などでオフィスの規模縮小の動きが影響してるものと考えられます。こうした影響で、反対に駅前に隣接する一番町周辺地区や駅東地区の需要が増加し空室率が改善したとも推測されます。
三鬼商事オフィスマーケット 仙台ビジネス地区 https://www.miki-shoji.co.jp/rent/report/branch/2

仙台市の人口は東日本大震災以降の増加数が徐々にペースダウンしてきているといわれます。昨年も、一時的に前年に対して人口が減少し、新聞等の報道でも減少に転じた・・と大きな話題になりました。コロナ禍で人の移動が少なくなってきており高齢化の進行も著しいことから、仙台市の人口は上昇スピードが鈍化しているのは確かです。
しかし、コロナ禍の影響であまり転出しなくなり社会増加も大きく減少していないこともあり、直ちに減少傾向で推移しているとは言えないようです。
一方で、世帯数は安定的にやや増加傾向で推移しています。賃貸住宅需要が途切れない要因と考えられます。

建設新聞等によると、建築中のNTT都市開発のアーバンネットビルに続く「せんだい都心再構築プロジェクト」の建築計画(ビル3棟)が公表されています。
いずれのビルも1フロアのオフィス面積200坪以上の高機能オフィスとなり、容積率緩和制度を活用しオープンスペースが設置される予定です。
1.仙台中央3丁目プロジェクト(仮称)
青葉区中央3丁目4−12ほか、東二番町と南町通りの交差点北東側。敷地面積約1350�屐⊆�島が自社の設計・施工。建物の規模などの詳細は未定。主用途は事務所で事務所の2分の1以上を賃貸予定。25年2月竣工予定。
2.仙台駅前南町通プロジェクト(仮称)
青葉区中央3丁目8ー1ほか。敷地面積約1509�屐�東京建物が事業者、設計・施工は竹中工務店。S造地下1階地上12階建、延べ約1万3800�屐�竣工は24年1月予定。
3.仙台国分町プロジェクト(仮称)
青葉区国分町1丁目7-4ほか。広瀬通沿いの敷地1249�屐�W・S・SRC造地下1階地上10階建、延べ約1万200�屐∪澤廖�施工は竹中工務店。構造材と内外装に木材を多用する。竣工は23年11月予定。

先行きが見えないなか、仙台市ではコロナ後を見据えた宿泊施設の開発が活発化しています。つい最近では「ダイワロイネットホテル仙台西口」がオープンしましたが、7月には「相鉄フレッサイン仙台西口」、23年には仙台駅東口、国分町にも宿泊特化型のビジネスホテルがオープン予定。
24年にはJR東日本が仙台駅西口にインバウンドに対応する3棟目のホテルを計画しており、市内のホテルへの投資はここにきて活発といえます。
一方で、21年4月には定禅寺通り沿いの「スーパーホテルINN国分町」、上杉1丁目の「仙台ビジネスホテル」、21年1月に「ホテル法華倶楽部」が既に閉館しており、22年9月には「ホテルメルパルク仙台」が閉館予定です。一部ホテルの撤退も見受けられます。
路線価評価が否定され、国税庁が行った不動産鑑定評価に基づく評価額が認められました。
判決文を読んでみると、相続人が94歳で死亡する約3年半前に東京都と神奈川県に借入をもとにマンションを購入しました。金額からみると収益用の賃貸マンションのようです。土地及び建物の相続税評価額は、相続性路線価を基にした土地価額と建物の固定資産税評価額を合算して求めます。
その結果、相続人は2棟で、購入価格が13億8千万円のところ相続税評価額は3億3千万円、国税は路線価が実勢から大きく乖離していることを認めたうえで不動産鑑定評価で12億7千万円とし、実に約4倍もの開きとなりました。しかも、相続人は借入金等を考慮して相続税額をゼロとし、2物件のうちの1棟をほぼ取得価格と同等の価格で売却しています。
路線価と実勢価格との隔たりに注目した節税は、タワーマンションや収益物件の取得として知られてきています。今回の判決は「著しく不適当」として不動産鑑定を適用した根拠が曖昧であるとの批判も多くみられます。しかしながら、相続人側の物件売却時の価額と相続税評価額との大きな相違は、制度上の局面の相違としては説明できず、露骨な相続税対策は税負担の公平性からみても認められないと思われます。
相続税法第22条で取得時の時価が評価額の前提となる以上、相続税対策として収益物件等が関連する場合には、前もって不動産鑑定評価を利用しておいたほうが安心です。
裁判例結果詳細

HPの公表資料によれば、青葉区本町2丁目、東二番町通りと広瀬通りの交差点に位置する仙台本町ビルの信託受益権をケネディクス不動産投資顧問(株)が2022年4月26日取得しました。取引価格は63億6千万円。信託期間は延長され2030年8月まで。
この物件はインベスコが2018年3月に61億3千万円で合同会社へ譲渡して以来、約4年間の運用で、今回手放したことになります。
2018年3月のインベスコ譲渡時と今回2022年4月のケネディクス取得時の鑑定評価書等の公表資料による利回りは以下のとおり。
・2018年:還元利回り4.8%、割引率4.6%、最終還元利回り5.0%、NOI利回り4.6%
・2022年:還元利回り4.6%、割引率4.4%、最終還元利回り4.8%、NOI利回り5.2%
地価上昇の影響で還元利回り等はやや低下。一方で運営収益は増加しておりNOI利回りはやや上昇しています。還元利回りや、収益の伸びから見ると2018年との比較においては取引価格がもっと高くなってもおかしくはない物件です。
不動産市場にみられた一時の過熱感は薄れており、NOI利回りをしっかり確保する堅実な取引といえるようです

期間満了後に建物が継続使用されたケースにおいて、定期建物賃貸借としての効力が否定された裁判例です。
定期建物賃貸借は更新のない賃貸借であり、期間満了により契約は終了します。契約期間が満了しても、その後長期間賃借人が継続して建物を利用し続けるものの、賃貸人が明け渡しを求めることもなく賃料も引き続き支払われているケースがあります。契約は終了するが契約を対抗できないというあいまいな状態が想定されます。このような場合・・
東京地判平成21.3.19では、
「期間満了後、賃貸人から何らの通知ないし異議がないまま、賃借人が建物を長期にわたって使用継続しているような場合には、黙示的に新たな普通建物賃貸借契約が提携されたものと解し・・」と述べられています。
賃借人サイドから言えば、定期借家契約であることを否定して明け渡しを拒否することが可能となるということになります。定期建物賃貸借(定期借家)の終了後に別個の契約成立を認めたはじめての例として注目されています。
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平成25年住宅・土地統計調査によると、平成25年の宮城県の空家率は9.4%、仙台市は10.0%。山梨県の22.0%が全国で最も高く、宮城県は最も低かったとのことです。
同調査には、借家の1ヶ月当たりの家賃調査もあり、それによると仙台市の1ヶ月の家賃平均は専用住宅で49,248円となっています。5年前の平成20年の調査に比べてマイナス2.6%の下落となっています。震災後の急激な物件不足があっただけに、家賃下落はやや意外な気もします。
一方、民営借家の総数は平成25年で224,800戸、5年間で約20%も増えています。共同住宅は28,300棟で8.4%の増加。震災後の物件不足によって利便性の良好な地域においては強気の賃貸条件がみられましたが、一方で、共同住宅等の貸家が増加したことにより、競争力に劣る物件や地域において大幅な賃料値下げもみられ、全体的に下落傾向を表したようです。
現在、震災被災者のいわゆる「みなし仮設住宅」入居者は、平成28年3月31日時点で仙台市にはまだ6,843人おられます。平成29年3月末に仮設住宅が終了することを考えると、当然ながらこの1年以内で仙台市内のアパート、マンションの空室率の増加が予測され、賃料はやや弱含みで推移すると考えられます。
さらに、震災後続いていた仙台市の人口増加傾向も昨年あたりからペースダウン傾向が顕著になってきました。仙台市の昨年の社会増加数は3,000人を切っています。人口増加傾向もそろそろ終盤に入った模様です。
低金利や金融機関の積極姿勢もあって、個人、法人を問わず収益物件の引き合いは依然として強く、価格の高騰で取引利回りは低下しています。利回りが低下するなか不動産価格はそろそろピークとの見方もあり、最近では出口戦略に舵を切り始めた投資家による売り物件も市場に出回ってきているようです。
160510

5月26日に「空家等対策の推進に関する特別措置法」(空家対策特措法)が完全施行されます。空家対策特措法は2014年11月に公布、15年2月26日に一部施行され、「空家」と判断する目安は「建築物がおおむね1年間使われていない」とする基本方針が示されています。
特定空家の判断基準を抜粋すると次の7つが重要となります。
1、建築物の著しい傾斜 (不同沈下、柱の傾斜・・)
2、構造耐力上主要な部分の損傷 (起訴の破損、変形、土台の腐朽、破損・・)
3、屋根、外壁などの脱落・飛散の恐れ (屋根の変形、壁体を貫通する穴・・)
4、擁壁が老朽化し危険となる恐れ (ひび割れの発生・・)
5、ゴミの放置、不法投棄など (臭気の発生があり周辺住民の日常生活に支障を及ぼす・・)
6、周囲の景観と著しく不調和 (多数の窓がらすが割られたまま放置、立木の繁茂)
7、空家に住み着いた動物の問題 (鳴き声の発生や臭気で周辺住民の日常生活に支障を及ぼす・・)
いずれもおおまかな基準であるため自治体(市町村長)の細やかな判断に委ねられることになります。
特定空家に指定されると、所有者が措置を履行しない場合には、市町村長が行政代執行による解体作業などが実施されます。
150521

PML値は、想定地震被害額から算出されており、不動産投資、保険、金融などの分野でよく利用されている地震リスク指標です。(予想最大損失率、Probable Maximum Loss)
50年間に10%を超える確率で起こる地震が発生した場合に、被災後の建物を被災前の状況に復旧するために必要な工事費の、建物価格(再調達原価)に対する割合です。
不動産証券化物件の場合には、10%以下だと耐震性に問題はないとされ、20%以上の場合には、融資が困難になったり地震保険への加入を要求されることがあります。
PML値には算定の統一的基準が無い為、評価会社が独自の手法や基準で判断しており、査定根拠は殆ど公開されていません。統一的な基準や査定根拠等の公開が求められています。
オフィスビルでは賃料、利回りに関連性があるとの調査結果もあり、今後不動産評価にも反映されるようになるかもしれません。
111222

■マンション全体(新築及び中古)の床面積の全国平均は、72.0平米(21年度は70.6平米)と、やや広くなっています。県別では、もっとも広いのが茨城県92.3平米(21年度は79.7平米)、最小は東京都の65.9平米(21年度は60.1平米)となっています。宮城県は81.8平米(21年度は78.7平米)。マンションについては面積が広くなる傾向がみられます。仙台市内の新築マンションは80平米以上がスタンダードになっています。
■マンション全体(新築及び中古)の戸当たり購入価格は、全国平均で3772万円、最高は東京都の4466万円(21年度3891万円)、最低は鳥取県の1909万円(21年度2175万円)。宮城県は2828万円(21年度2759万円)。宮城の平均単価はおよそ平米あたり343200円、坪あたり約113万円となります。中古マンションは築11年以内が51.1%と約半数を占めているという結果もあります。
■マンションの融資利用者の平均年齢(全国平均)は39.2歳、家族数は2.4人、世帯年収749.8万円。年収倍率は5.9、手持ち金753.4万円となっています。マンション購入者の世帯年収、平均年齢は戸建住宅の購入者に比べていずれも高いという結果になっています。
首都圏、東海圏で取得年齢が38.8歳と若く、その他地方圏では41.0歳とやや開きがあります。
111016

■注文住宅(土地取得の借り入れのないもの)の床面積の1戸当たりの全国平均面積は133.8�屐複横映�度は135.2�屐砲能名�しています。最大は山形県の148.2�屐∈脳�は鹿児島県の120.8�屐E豕�都は129.1�屐�宮城県は139.4��となっています。地元の有力工務店などの特徴が反映されているものと思われます。
■注文住宅(土地取得の借り入れのないもの)の建設費の全国平均は2859万円(21年度は2889万円)、最高は東京の3446万円、最低は宮崎県の2223万円。宮城県は2749万円なので、平米当たりの単価は197200円、坪あたり約65万円となります。融資利用者の世帯年収の全国平均は603.2万円、年収倍率の全国平均は5.4倍、首都圏5.4倍、近畿圏5.6倍、東海圏5.6倍、その他地域5.2倍となっています。
■土地付注文住宅の床面積の1戸当たりの全国平均面積は、115.4�屐複横映�度は115.6�屐法∈蚤腓亙^羝�の127.1�屐∈脳�は東京都の99.9�屐5楙觚�は121.0�屐複横映�度は124.1�屐法�
土地取得費を含む所要資金は、全国平均で3558万円(21年度は3560万円)、最高は東京都の5270万円、最低は秋田県の2501万円。宮城県は3374万円(21年度は3437万円)となっています。
土地を小区画化して流動性を増す傾向が強くなってきており、床面積と総額の低下は実感できます。
融資利用者の世帯年収の全国平均は615.1万円、年収倍率については、全国平均6.2倍、首都圏6.5倍、近畿圏6.5倍、東海圏6.6倍、その他地域5.9倍。
111015

木造住宅の基礎は、「ベタ基礎」、「布基礎」が一般的です。どちらの基礎形式にするかは、地耐力(地盤の軟弱、地層構成)に応じて選ばれます。布基礎よりベタ基礎の方が地盤に対して対応範囲が広く、比較的地盤が良好であれば布基礎、不均質な軟弱地盤では杭基礎が用いられます。地盤に応じた基礎形式と基礎の形があります。この選択を誤ると、地震などで不同沈下を生じる恐れがでてきます。
基礎のびひ割れ(クラック)は
●「著しいひび割れ」:幅0.5ミリ以上のもの
●「補修が望ましい劣化現象」:幅0.3ミリ〜0.5ミリ未満
●「補修不要」:幅0.3ミリ未満のもの
とされています。
表面からの深さが20ミリに達すると、雨水が進入して内部の鉄筋が膨らんでしまい鉄筋が露出する著しいひび割れ「ポップアウト現象」が起こる場合があるので、早めの修復が必要です。
基礎の立上がり部分にモルタル塗の表面仕上げを施すケースも多くみられます。表面モルタルは比較的割れやすく、基礎本体にはひびが無い場合もあるので、深さの計測をするなどして慎重に見極める必要があります。
110914

東日本大震災後、仙台市や宮城県の要請により、宅地の被害の発生状況を迅速かつ的確に把握するために、被災宅地危険度判定士が危険度判定を行いました。宅地の二次災害を軽減・防止し住民の安全を確保することを目的としています。建物の応急危険度判定の宅地版と言ったところです。
仙台市からは5月19日までに調査された結果である「主な宅地被災箇所分布図」が公表されており、一定のまとまりがある被災箇所が示されています。おおまかな危険箇所しか分かりませんが、地震の被害の大きかった地域が見てとれます。
太白区と泉区の比較的古い団地の盛土された地域に被害が多いようです。昭和40年代頃に造成された団地には、玉石擁壁などの既存不適格擁壁がまだたくさん残っていたのも原因と考えられます。
仙台市「被災宅地危険度判定の結果」⇒
110826

地震被災後の建築物判定は何種類かあるため、分かりにくく混乱される場合も多いかと思います。整理すると、被災後の建築物の判定には大きく次の3種類があります。
1.被災建築物応急危険度判定
地震直後すぐに、建築士等の一定の研修を受けた応急危険度判定士が危険度を判定します。余震による建築物が倒壊、部材の落下等の二次被害を防止するために行い、被災者がそのまま建築物を利用できるかどうかを判定するために、公共団体が行う調査です。「調査済」(緑)、「要注意」(黄)、「危険」(赤)の判定ステッカーが貼られます。この判定についての責任は判定実施主体の地方自治体が負うことになります。
「応急危険度判定とは」⇒
2.被災度区分判定
建築物の残存耐震性能を把握し建築物を継続的に使用するためにはどんな補修、補強をしたらよいか、専門技術者が調詳細に査し復旧方法を決定します。一定の費用を要します。判定区分は「軽微」、「小破」、「中破」、「大破」、「倒壊」。
3、罹災証明の家屋の財産被害程度認定のための判定
被災者生活再建支援法等による、各種支援、税の減免の申請のため必要となる家屋の被害程度を市町村長が証明するものです。家屋の損害割合を算出して、被害程度(全壊、半壊等)が市町村により認定されます。東日本大震災においては、長期避難エリア内での罹災証明取得を不要化、罹災証明の代わりに全壊であることが確認できる写真の添付で可・・等の緩和措置があります。判定区分は「全壊」、「大規模半壊」、「半壊」、「一部損壊」。
り災証明書のための建物被害認定のしくみ(仙台市)⇒
その他に、建物に地震保険に付保している場合には、「全損」、「半損」なのか保険会社に査定してもらう必要があります。保険会社の調査と罹災証明の調査は異なるので注意が必要です。またそれぞれの、調査の結果に微妙な矛盾が生じている場合もあるようです。
110825

分譲マンションの所有者が毎月払う修繕積立金の額が低くいため、修繕工事費が不足する問題が生じています。
マンション管理組合では、長期修繕計画を作り、毎月、所有者から積立金を徴収しています。今は大分少なくはなりましたが、分譲時に割安感を出すために修繕積立金が意図的に低額に抑えられることがしばしばありました。こうしたマンションでは修繕工事の必要からいざ値上げとなると、所有者間で合意が得られず、工事費が不足するといった問題が生じます。戸数の少ないマンションでは、徴収される積立金総額がそもそも少ない為特にこうした問題が起こりやすいようです。
国土交通省が2008年度に行った調査によれば、約2割のマンションで積立金が足りず、管理組合が金融機関からの借り入れなどをしていたとの調査結果もあります。
こうした背景により、平成23年4月国土交通省は、修繕積立金額の目安を示したガイドラインを策定しました。このガイドラインでは、新築マンションを購入の際に参考になるように、積立金の目安となる金額を示してあります。
具体的な、修繕計画を適正な積立金の平均額や中心となる価格帯を算出してあり、例えば、15階建未満で、延べ床面積が5000〜10000平方メートルのマンションの、専有部分面積が80平方メートルの場合、積立金の平均額は毎月1万6160円となります。
国土交通省、マンション修繕計画ガイドライン
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現在、宮城県不動産鑑定士協会では宮城県内の不動産業者さんに、震災後の県内不動産市場動向についてアンケートを実施しています。アンケートの集計・発表は7月初め頃になる予定です。不動産取引・賃貸市場・需要が増えると予測される不動産タイプ等に震災が及ぼしている影響の程度が明らかになることを期待しています。
これとは別に、ニッセイ基礎研究所では既に不動産実務家・専門家に対して行った「東日本大震災の不動産市場への影響」のアンケート結果を公表しています。それによれは今後不動産市場で重要視されるリスクとして、東京一極集中リスク、震災津波リスク、電力不足・停電リスクがあげられており、今後選別が厳しくなると懸念される不動産タイプとしては、分譲マンション、オフィスビル、ホテルが上位となっています。
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