◆建築費高騰と中古住宅市場

◆建築費高騰と中古住宅市場

ウッドショック、アイアンショックによる木材や鋼材の価格上昇、さらには人材不足や人件費の上昇もあって建築コストは大きな上昇となっています。
建築費はコロナ禍前から上昇していましたが、建設資材価格の急上昇を直ちに建設コストに反映できなかった住宅販売会社の昨年度の決算は、大幅減益となった会社が多かったようです。
最近では、木材価格や鋼材価格が高止る気配があるものの、人件費の上昇が続いており建築費の上昇は続いています。今後は、2024年問題で物流コスト上昇や建築期間の長期化などの影響も懸念され、建築費の上昇はこれから本格的になるとみられます。
こうした影響もあり、中古住宅市場をみると、築年数を相当経た建物でも、なるべく取り壊さずにリノベーションする傾向がますます強まると思われます。

中古住宅の選別にあたっては、築年数だけで建物を判断するのではなく、施工した住宅会社の信頼性、メンテナンスの適否、使用資材の品等、リフォーム、修繕履歴等を総合的に判断することが、肝要となります。

令和5年地価調査(基準地価)の概要

令和5年地価調査(基準地価)の概要

【住宅地】
令和5年地価調査(基準地価)が発表されました。仙台市では住宅地で年間の平均変動率は7.1%と昨年の5.9%から上昇幅を広げ、仙台市内及びその周辺の名取市(年間平均変動率7.5%)、富谷市(7.4%)、利府町(9.0%)、大和町(9.6%)で大きな上昇となりました。これらの地域では、売物件が少なく取引件数は減少傾向にあるものの、低金利やコロナ禍以降の家計資産の増加を背景に、旺盛な住宅取得マインドは継続しています。供給する住宅販売会社も仙台市中心部は物件不足や地価の高騰で用地取得が難しくなっており、さらに建築費の上昇も加わって、地価が相対的に低位な仙台市周辺の地域へその守備範囲を広げつつあるようです。
物価上昇やエネルギー価格の上昇等により、現在新築戸建住宅、分譲マンションの販売も厳しい状況で、住宅取得マインドはやや低下しているようです。一方で、中古住宅や中古マンションは、地下鉄沿線の住宅地域や利便性が良好なエリアで積極的な取引が増えています。地域や物件に対して厳しく選別した取引が増えるとみられ、需要が旺盛なエリアと減退するエリアとの二極化が進むものと予測されます。


【仙台市の商業地】
仙台市の商業地の変動率は7.8%(昨年5.7%)となりました。投資ファンド等の県外資本を中心とする取引は減少したものの、比較的小規模な物件の取引が増える傾向がみられました。コロナ禍を契機に安定収入が見込める賃貸マンション投資が活発で、上杉、二日町、木町通、五橋地区等の商業地域内では単身者向けの高層マンション用地需要が旺盛です。また、総合病院や大型商業施設の進出が予定されている堤通雨宮地区では将来性を期待した収益物件用地の取引が多く見られ、今春開校した東北学院大学五橋キャンパス周辺では、学生寮や単身者用のマンション用地の高値取引が目立ちました。市中心部では、今後数年で複数のオフィスビルが竣工する予定です。空室率の悪化が懸念されますが、高機能で省エネ、セキュリティー、防災リスクに対応した新築オフィスビルの需要は堅調を維持しており、老朽化したビルの建替計画も把握されていることから、一時的な空室率の上昇は認められものの空室解消は比較的順調に進んでいくとみる向きが強いようです。

【工業地】
工業地は仙台市や富谷市の工業地で年間10%を超える大きな上昇が続いています。これらは主に物流施設用地需要が主因となっています。2024年問題で、物流施設の仙台都市圏において物流拠点となる用地需要が高まっており、特に市街地に近い仙台都市圏において大手物流デベロッパ-による積極的な用地取得が散見されます。中心部で大規模画地の用地取得が難しくなってきており、より広範なエリアへ波及する傾向も見られます。また、自動車関連や半導体関連の製造業を中心に、施設拡張や近年の技術革新やエネルギー価格の上昇により省エネ、高機能への設備投資が進んでおり、こうした動きも工業用地価格の上昇となったと考えられます。

◎福岡、天神・博多再開発に熱視線、企業の福岡シフト活発化。 221005

◎福岡、天神・博多再開発に熱視線、企業の福岡シフト活発化。 221005

福岡市への進出企業は20年までの5年間で275社。雇用者数も約7000人増加。福岡県内の人口を一気に吸い上げています。 急速に進む円安の影響で、海外から見ると日本の不動産価格は割安感が増しており、その投資先の一つとして福岡が注目されているとのことです。 残念ながら仙台市においては投資ボリュームに見合う大型物件が少ないため、今のところはこうした動きは見られません。福岡市が主導する官民連携の「天神ビッグバン」「博多コネクテッド」等の街づくりが国内外から人と資金を呼び寄せています。
 一方で、投資家の物件意欲は旺盛とのことですが、深刻な売り物件不足に見舞われているようです。この辺りは仙台と同様のようです。福岡の賃貸市場は堅調で、オフィスビルの供給ラッシュで、法人需要を中心とする長期的な投資機会は増加するとの予測です。「天神ビッグバン」は、建物の高さや容積率制限の緩和で24年までの10年間で30棟のビル建替えを誘導したとのことです。建て替えでビルの延べ面積は1.7倍に拡大し雇用者数が2.4倍に増加。足元の確認申請は50棟を超えており上振れる可能性があるそうです。「博多コネクテッド」も20棟のビル建て替えを誘導しているとのこと。福岡ではこうした都市インフラの更新が奏功しており企業誘致が進んでおり、人とモノを呼び込んでいます。

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