■仙台の最新オフィスビル市況について 220620

■仙台の最新オフィスビル市況について 220620

 三鬼商事のOFFICE REPORT SENDAIによれば、2022年5月の仙台ビジネス地区のオフィスビル平均空室率は5.02%。前年同期比で1.31ポイントも下げました。特に一番町周辺地区の平均空室率は3.78、駅東地区は3.68%と堅調です。
 その原因は、新築ビル(1棟)の好立地の高機能、新築ビルの空室率が2月からゼロとなっていることが影響していると思われます。最近では、人材確保の観点からも立派なビルに入居する企業も多いと聞きます。
 仙台のオフィス市場では、大型の新築ビルが竣工しても直ちに満室になるケースは、以前は普通に見られたものの、コロナ禍の現況においてはそうしたことはありません。空室率の消化には、首都圏に比べれば比較的長期に及ぶと考えられます。
 対して、空室率の高い地区は、駅前地区5.83%、となっています。コロナ前は好調を維持していた駅前地区ですが、コロナ禍で高額な賃料負担に耐えかねた企業の移転転出や、テレワークの進行などでオフィスの規模縮小の動きが影響してるものと考えられます。こうした影響で、反対に駅前に隣接する一番町周辺地区や駅東地区の需要が増加し空室率が改善したとも推測されます。

三鬼商事オフィスマーケット 仙台ビジネス地区 https://www.miki-shoji.co.jp/rent/report/branch/2

■仙台市の人口と世帯数

■仙台市の人口と世帯数

 仙台市の人口は東日本大震災以降の増加数が徐々にペースダウンしてきているといわれます。昨年も、一時的に前年に対して人口が減少し、新聞等の報道でも減少に転じた・・と大きな話題になりました。コロナ禍で人の移動が少なくなってきており高齢化の進行も著しいことから、仙台市の人口は上昇スピードが鈍化しているのは確かです。
 しかし、コロナ禍の影響であまり転出しなくなり社会増加も大きく減少していないこともあり、直ちに減少傾向で推移しているとは言えないようです。
 一方で、世帯数は安定的にやや増加傾向で推移しています。賃貸住宅需要が途切れない要因と考えられます。

■「せんだい都心再構築プロジェクト」による高機能オフィスビル計画

■「せんだい都心再構築プロジェクト」による高機能オフィスビル計画

 建設新聞等によると、建築中のNTT都市開発のアーバンネットビルに続く「せんだい都心再構築プロジェクト」の建築計画(ビル3棟)が公表されています。

いずれのビルも1フロアのオフィス面積200坪以上の高機能オフィスとなり、容積率緩和制度を活用しオープンスペースが設置される予定です。

1.仙台中央3丁目プロジェクト(仮称)
青葉区中央3丁目4-12ほか、東二番町と南町通りの交差点北東側。敷地面積約1350㎡、鹿島が自社の設計・施工。建物の規模などの詳細は未定。主用途は事務所で事務所の2分の1以上を賃貸予定。25年2月竣工予定。

2.仙台駅前南町通プロジェクト(仮称)
青葉区中央3丁目8ー1ほか。敷地面積約1509㎡、東京建物が事業者、設計・施工は竹中工務店。S造地下1階地上12階建、延べ約1万3800㎡。竣工は24年1月予定。

3.仙台国分町プロジェクト(仮称)
青葉区国分町1丁目7-4ほか。広瀬通沿いの敷地1249㎡。W・S・SRC造地下1階地上10階建、延べ約1万200㎡、設計・施工は竹中工務店。構造材と内外装に木材を多用する。竣工は23年11月予定。

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