■仙台のホテル投資の動き  

■仙台のホテル投資の動き  

 先行きが見えないなか、仙台市ではコロナ後を見据えた宿泊施設の開発が活発化しています。つい最近では「ダイワロイネットホテル仙台西口」がオープンしましたが、7月には「相鉄フレッサイン仙台西口」、23年には仙台駅東口、国分町にも宿泊特化型のビジネスホテルがオープン予定。
24年にはJR東日本が仙台駅西口にインバウンドに対応する3棟目のホテルを計画しており、市内のホテルへの投資はここにきて活発といえます。
 一方で、21年4月には定禅寺通り沿いの「スーパーホテルINN国分町」、上杉1丁目の「仙台ビジネスホテル」、21年1月に「ホテル法華倶楽部」が既に閉館しており、22年9月には「ホテルメルパルク仙台」が閉館予定です。一部ホテルの撤退も見受けられます。

■最高裁判決 令和4年4月19日第三法廷 相続税更正処分等取消請求事件 

 路線価評価が否定され、国税庁が行った不動産鑑定評価に基づく評価額が認められました。
 判決文を読んでみると、相続人が94歳で死亡する約3年半前に東京都と神奈川県に借入をもとにマンションを購入しました。金額からみると収益用の賃貸マンションのようです。土地及び建物の相続税評価額は、相続性路線価を基にした土地価額と建物の固定資産税評価額を合算して求めます。
 その結果、相続人は2棟で、購入価格が13億8千万円のところ相続税評価額は3億3千万円、国税は路線価が実勢から大きく乖離していることを認めたうえで不動産鑑定評価で12億7千万円とし、実に約4倍もの開きとなりました。しかも、相続人は借入金等を考慮して相続税額をゼロとし、2物件のうちの1棟をほぼ取得価格と同等の価格で売却しています。
 路線価と実勢価格との隔たりに注目した節税は、タワーマンションや収益物件の取得として知られてきています。今回の判決は「著しく不適当」として不動産鑑定を適用した根拠が曖昧であるとの批判も多くみられます。しかしながら、相続人側の物件売却時の価額と相続税評価額との大きな相違は、制度上の局面の相違としては説明できず、露骨な相続税対策は税負担の公平性からみても認められないと思われます。
 相続税法第22条で取得時の時価が評価額の前提となる以上、相続税対策として収益物件等が関連する場合には、前もって不動産鑑定評価を利用しておいたほうが安心です。

裁判例結果詳細

■仙台本町ビル ケネディクス・オフィス投資法人が取得

■仙台本町ビル ケネディクス・オフィス投資法人が取得

HPの公表資料によれば、青葉区本町2丁目、東二番町通りと広瀬通りの交差点に位置する仙台本町ビルの信託受益権をケネディクス不動産投資顧問(株)が2022年4月26日取得しました。取引価格は63億6千万円。信託期間は延長され2030年8月まで。
この物件はインベスコが2018年3月に61億3千万円で合同会社へ譲渡して以来、約4年間の運用で、今回手放したことになります。
2018年3月のインベスコ譲渡時と今回2022年4月のケネディクス取得時の鑑定評価書等の公表資料による利回りは以下のとおり。
・2018年:還元利回り4.8%、割引率4.6%、最終還元利回り5.0%、NOI利回り4.6%
・2022年:還元利回り4.6%、割引率4.4%、最終還元利回り4.8%、NOI利回り5.2%
地価上昇の影響で還元利回り等はやや低下。一方で運営収益は増加しておりNOI利回りはやや上昇しています。還元利回りや、収益の伸びから見ると2018年との比較においては取引価格がもっと高くなってもおかしくはない物件です。
不動産市場にみられた一時の過熱感は薄れており、NOI利回りをしっかり確保する堅実な取引といえるようです

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